鴻上尚史氏の「ネットの二面性論」について考えた [マスコミ]
「軸があれば、リアルもバーチャルもひとつの世界」
日経新聞 2012.01.11 朝刊 5面
「ネット 二面性知って 劇作家・演出家 鴻上尚史氏」
昔も今も、若者1人ひとりのエネルギーは変わらないが、
今の時代は、ネットにエネルギーを取られている、と鴻上さんはいいます。
今は議論を経ずに、抱えているものをネットで簡単に外に出せて、
そこに共感のコメントもついてくるので、説明責任が鍛えられない。
海外でもネットがあるので、完全にひとりになる体験ができない。
ネットには作品や演技の感想があり、劇団員の自己肯定感が得られやすいが、
その分、野望が育ちにくい。よほど自分を律していないと、「まあ今のままでいいか」となる。
同時に、自分たちレベルの劇団や劇団員の若者は腐るほどいることもネットではわかる。
これがネット二面性。自分を肯定してくれ、同時に否定される。
だから、
ネットとの距離をうまく置き、自分の頭で判断し、自分の意志で行動し、
自分というものをしっかり形成していこう、
と鴻上さんは若い劇団員たちに呼びかけているそうです。
ネットとの距離をうまく置き、自分の頭で判断し、自分の意志で行動し、
自分というものをしっかり形成していこう、
と鴻上さんは若い劇団員たちに呼びかけているそうです。
この記事を読んで:
テレビを朝から晩までつけっぱなしの人、結構いると思います。
ラジオをずっと聞きながら受験勉強した人も。
あるいは、活字中毒というか、本なしには生きられない人。
要するに、現代人は、情報の海にどっぷりとつかっていたいのでは。
それとネットはどう違うんでしょう?
- 双方向性?
- リアルタイム性?
- あらゆる人と時空を超えてダイレクトにつながれる汎用性?
どんなテクノロジーも二面性があります。
人間は新しいテクノロジーを体験し、その光と影を体感的に理解していき、
ものにしてきました。
ただ、ネットは、これまでのテクノロジーとは異質な側面があるように思います。
これまでのテクノロジーはリアルの世界の中に収まっていました。
しかし、ネットワークは、空間感覚というか、あるいは感じ取る世界の在り方が、
バーチャルであるにもかかわらず、ある種のリアルさを強く持っています。
バーチャルであるにもかかわらず、ある種のリアルさを強く持っています。
普通、リアルとバーチャルを別のものととらえていますが、
ひょっとすると若い世代は、それらが混ざり合ったところにリアルがあると
感じているのかもしれません。
ひょっとすると若い世代は、それらが混ざり合ったところにリアルがあると
感じているのかもしれません。
それをどう扱っていくかというのは、実は、非常に大変なことになりそうです。
これから、いろいろな問題が起こる可能性・・・
反面、非常に面白いことが世界中で展開する可能性・・・
そのどちらが起きるのか?
新しいテクノロジーや環境の二面性にどう対処するか、
それは結局、「軸」の問題なんだと思います。
絶対の基準ともいうべき「軸」。
ぶれない「軸」をもてるかどうか。
それがあれば、あらゆるテクノロジーを活用し、楽しむことができます。
そして成長し、進化していくことができます。
ネットの二面性に対する答えは、結構簡単で単純なことではないか、そう感じます。
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