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アメリカはどこに向かうのか [政治]

6月5日のNHK「クローズアップ現代」で、『“自由”か“平等”か 岐路に立つアメリカ』というタイトルの番組が放映されました。

アメリカは、真っ二つに分断されつつあることを実感させる内容でした。

「自由」とは、共和党が主張する小さな政府、減税、規制緩和による自由競争で経済を発展させて国全体が潤う、とする政策です。

一方の「平等」とは、民主党が推進する大きな政府、金持ちへの増税、国民皆保険などセーフティネットを充実させる政策です。

答は両者の中間にあるように思えます。
しかしそれはどちらの政党が政権を取っても、議会でおりあえて現実主義の政策決定ができたときです。

今のアメリカは世論が真っ二つに割れているようです。
それがオバマ47% VS. ロムニー45%という支持率に表れています。

問題は、格差があることそのものにあるとはかならずしも言えなくて、
むしろ中間層がより厳しい状態にずるずると後退して、安定した社会基盤が
失われつつあるところじゃないでしょうか。

アメリカの選択は、そのまま多少の時間差を置いて、
日本にも確実に影響を及ぼすことになると思います。



6月6日の読売新聞に、関連する興味深い記事があります。

 

読売新聞朝刊7面 【「支持政党なし」最高】


アメリカは2大政党制が定着しており、有権者は、基本的に共和党か民主党のいずれかの支持者だと思っていたのですが、この記事によると、「支持する政党なし」が38%に広がっており、過去75年にで最高の値になっているそうです。

同時に、イデオロギーなどを問う質問では、民主党員はよりリベラルに、共和党員はより保守的な回答をしているとのこと。

一例として、「政府は自立できない人を支援すべきだ」に同意した人は、
民主党で75%、共和党で40%で、35ポイント差になりました。
25年前の調査では17ポイント差だったので、計算上2倍に広がったことになります。
(ただし、データが新聞記事だけでは不足しており、この通りと解釈してよいかは微妙ですが)

こうして見ると、アメリカは、イデオロギー的により二分されてきているとも言えますが、
「保守」と「リベラル」と「どちらでもない政治不信」に三分されてきている、とも言えそうです。
 

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外交にとって大切なものは何でしょうか? [政治]

 
日経新聞朝刊2面
2012.04.23
「在外公館『選択と集中』進まず」
 
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玄葉外務大臣が、日本の在外公館の戦略的な配置に
意欲を見せている、という記事です。

現在の大使館数は134ですが、それを150まで増やし、
資源が豊富なアフリカなどとの関係を強化したい考えです。

アフリカには54の国がありますが、
日本の大使館があるのはその内の32ヵ国に留まります。
一方でアフリカの資源を重視している中国は、既に49の大使館があります。

新興国での日本の存在感を増やすためには、
先進国から人員の配置転換を進める必要がありますが、
計画通りには進んでいないようです。

この記事は、
日本の公館における領事担当者数が米国(約5人)や
フランス(約7人)に比べて著しく少ない1.7人であり、
業務に支障をきたす事例を紹介する一方で、
日本の在外公館は、豪華な建物や高額の人件費がかねてから
批判の対象となっており、特別手当や人員の削減が求められている、
と結んでいます。

まず、アフリカに54ヵ国あることにあらためて驚くとともに、
大使館を置いている率が約6割に留まることも驚きです。

日本人にとってアフリカは物理的にも心理的にも遠い大陸ですが、
政治的にも経済的にも将来に向けて戦略的な関係づくりに
今から取り組むべきだと思います。

そう考えるのは、アジアの先行事例があるからです。

アジアがほとんど世界の注目を集めなかった時代に、
日本は地道な援助活動を続けてきました。

参考として、毎日新聞の専門編集委員の西川さんの記事を
掲載します。

毎日新聞朝刊3面
2012.04.13
「アジア的関与の評価」
 
s-毎日2012_04_13(1).jpg

こちらは、シリアと比較してミャンマーが開放体制に
移行していることを評価する記事です。

その理由として、経済的果実を手にしつつあるのに対して、
中東は不安定でトルコなど一部を除いて経済浮揚ができて
いないことに原因がある、としています。

そして、アジアの今日の経済基盤を作ったのは、ひとつには
日本の「開発主義」のアプローチがあった、という認識を示しています。

政府開発援助(ODA)と民間資金を使って、日本の技術と経済力を
現地とむすびつけ、アジア全体の経済浮揚を実現した面は、
確かにあると思います。

日本の手法は、欧米からしばしば、「人権、民主主義の軽視」と批判
されてきたが、経済発展は権威主義的体制の国にも政治改革を促し
民主主義へと脱皮をさせた、と西川さん。

これはまったくの推測に過ぎませんが、
中国は、こうした日本の対外援助の手法を研究し、自国の対外政策に
応用しようとしているのではないかと思います。

今の日本は、無駄なお金を政府も官僚も使っていて国民が犠牲になっている
という論調が主流になっています。
そういう面は多々あるでしょう。しかし、問題をたたくだけでは日本の将来を
構築することはできません。

特に外交や経済援助そして文化交流は、時間をかけて戦略的に構築して
いくことで長期的な果実を手にするものです。

東日本大震災で、あきらかに経済的余裕に乏しい国からも
支援がなされた理由として、日本の援助に対する感謝と御礼の気持ちが
あったことを、私たちは報道などを通じて知りました。

「人の援助」と「技術の援助」と「お金の援助」。
経営でいう3つの資源だる「ヒト、モノ、カネ」の重要性は、
外交でも同じではないかと思います。

外交において場当たりでない、本当の意味での長期戦略を構築し
実行できる日本であってほしいと思います。

外交は、科学技術の開発と合わせて、予算を削減すべきではなく、
むしろ「選択と集中」で「ヒト、モノ、カネ」を増やすべき分野だと考えます。
 

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日本の未来を託せる政治家を育てよう [政治]

「日本の未来を託せる政治家を育てよう」

日経新聞2012.02.12朝刊2面
「次」の話をする前に

最近の政治は課題に向き合っているようで、客観的には
筋の通らない話が多い、という記事。
  • 原発はどうするのか。やめるのか進めるのか。浜岡原発以外は継続を容認したが、全国に54基ある原発は、定期検査に入ると再稼働のめどが立たない。原発の輸出を早々に決めたが国内の方針が明確にならない
  • 衆議院の制度改革はどうするのか。一票の格差は是正するのか、しないのか。昨年、最高裁は「最大2.30倍の格差を違憲状態」との判決をくだしたが、見直しは進まない
  • 消費増税に対して議員定数の削減や選挙制度の抜本改革が論じられるが、何も決まらない
  • 社会保障と税の一体改革は、制度の持続性の話と将来性の話が混戦
  • 民主党は、短期と中長期に課題を仕分けできず、自民党は長期政権で懸案を先送りしてきた反省はなく、国会で小じゅうとの嫁いびりのような質問をつづける


最後に、福田和也さんの著作『なぜ日本人はかくも幼稚になったか』を引用。
 

「幼稚とは頭が悪いとか、知識がないとかいうことではない。
肝心なことに目をつぶっているということだ。」





この記事を読んで:

選択肢1: ひとりの英雄が日本を救う

日本人の多くは、いろいろとたいへんなことがあっても、
世の中は、そして日本は、どうにかなるって思っていたのではないでしょうか。
昨年の震災までは。

政治も、とりあえず誰かがなんとかしてくれるだろう、と多くの人々が思っていました。
しかし、震災と原発事故という国そのものの存亡にかかわる事件が起きたときに
初めて、政治の体たらくに驚き、日本の置かれた現実に愕然とし、怒りを覚えました。

社会が混乱し、政治が混迷すると、英雄待望論が浮上します。
不安や恐れを解消し、現状に対する鬱屈した思いや怒りを
晴らしてくれる人の登場を望みます。

最近、田中角栄が今首相だったら、大震災から一年近くたって復興庁ができる
といったのんびりした対応はしなかっただろう、トップダウンでどんどん
大胆な指示を出して復旧復興と国と地方の再生を進めたに違いない、
という話をする人がいます。
コンピューター付ブルドーザーと呼ばれた構想力と実行力で
日本列島改造論を推進した角栄さんなら、きっと日本を良くしてくれるだろう、と。

選択肢2: みんなで知恵を出し合って日本を変える

ただ、今の政治家がだめだ、ということで済ませることはできない気がします。
少なくとも、「投票しない」ということを含めて、今の政治家達を選んだのは、
我々なのですから。

責任と権限があいまいなのが、日本の文化社会の一大特徴だといわれます。
集団主義のため、何かを決めるのに時間がかかる。
そのかわり、決まれば一致団結して成果を出していく。
しかし、うまくいかなかったとき、誰も責任を取らないし、原因追及もしないから
再発防止の学習効果があがらない。みそぎをし、忘れようとする。

日本は制度としての民主主義を長くやってきている国ですが、
本当の意味で「民主=国民が主体」であったことはなかったと思います。
日本人の多くは、大震災を経験して、「これじゃいけない」と感じましたが、
同時に、あまりにも政治を、社会を、世の中を知らない自分に気づかされもしました。
そして意図的に知らないようにしむけられていたことに、はじめて気づかされもしました。

では、私たちはどうしたらいいのでしょうか。
真実をあばき、世の中を大きく変えてくれるカリスマの登場を待望し、喝采を送るのでしょうか。
しかし、英雄と独裁は紙一重です。陶酔は盲目につながります。
現代日本の混迷をひもとく答はどこにあるのでしょうか。
ヒントは、「衆知主義」にあります。

衆知の意味は「多くの人々の知恵」です。
今は、普通の人々があらゆる情報にアクセスできる時代です。
意見交換し、議論し、より良いアイデアや知恵を発掘できる時代なのです。

「衆知主義」とは、
普通の人々が、「肝心なことに目覚めている」
社会のあり方です。
  • 私達ひとりひとりが学び、主体的に考え、意見交換し、つながっていく
  • 政治家をただ批判するのでなく、誰がよりよい考えで行動しているかをみきわめ、そういう政治家を尊重し、支持する
  • 噂や流言飛語にまどわされず、専門家の意見に耳を傾け事実と憶測をわけて判断する
  • 気分でYES,NOを言うのでなく、責任ある一票を投じるつもりで、世論を形成する。ちょうど、裁判員制度の裁判員になったら判決に責任を負うように

こうしたことが本当にできれば、
普通の人々の間から、自然に政策提言も出てくるでしょう。
それはまじめによく考えられた、
前向きで未来の日本を創造する内容となるに違いありません。

選択肢3: 政治家を育てる国民になる

あとは政治家の決断です。
真のリーダーは
「衆知を集めてひとりで決める」
ものです。
これがリーダーシップの原則です。

しかし、リーダーシップには、実はもうひとつ、
普段あまり意識しない原則があります。
それは
「リーダーはフォロワーが現れることでリーダーとなる」
という真実です。

党利党略や政局を乗り越えるためでなく、
国家百年の計を立てること。
それは結局、国民がやることです。
政治家を使うのが国民の義務です。

健全なリーダーシップは、
賢明なフォロワーシップに支えられて
はじめて発揮されるのです。

選択肢4:批判ばかりしていないで自ら火中の栗を拾う

ところで、ここまで書いてきて、マスコミ的な言説が
気になってきました。

政治について、リーダーについて、批評的に語るなら、
既存のマスコミが套句的に繰り返している政治批判から
離れてみないと、話は始まらないのかもしれません。

可能なら、自ら政治の世界を覗いてみてはどうか。
確かに世の中には、正しいことをしたくて、
そのためには今を捨て手を汚しながら
地位を確立しようとする政治家もはいます。

「正しいことをしたければ偉くなれ」
と『踊る大捜査線』の和久刑事は言っていました。
(いかりや長介がいい味出してましたね)

人の本質を見抜く目を養い、
現場の集合知に光を当て、
世界のメディアスタンダードを作り上げたいです。

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消費税、人任せにしていたら何が起きるか? [政治]

日経新聞 2011.12.28 朝刊1面
「消費税の終着点を示せ」

武藤敏郎 大和総研理事長のインタビュー記事です。
武藤氏は、元財務相事務次官。

消費税の増税が打ち出され、10%という数字を
マスコミは報道しますが、それが通過点なのか、終着点かは
あいまいなままです。

この記事は、
「2020年に16%で終着点になる」
と主張しています。

「消費税を16%に上げれば、社会保障4経費をすべて賄えるし、
2020年度の基礎的収支も均衡する」
というのが根拠です。

この内容が妥当かどうかはともかくとして、
政治家が触れたがらない「終着点」のひとつの考え方が
記事になったことには注目しています。

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この記事を読んで:

それにしても、10%ですら法外なのに、
16%もの消費税を払っていい、という生活者がどれだけいるんでしょうか。
税の問題は、原発などの政治テーマと同様に、普通に生活している人々が
もっともっと正面から向き合っていかなければいけない問題です。
 
日本では「消費税」の問題だけがクローズアップされていますが、
本当は、税そのものを全体として考えていく必要があります。
「欧州など世界の標準が20%であるのに照らせば、決して高いわけではない」
という物言いも、注意が必要です。
 
例えば、「西欧諸国に比べて日本は消費税が安い」と言われますが、
そうした国々では、生活必需品や、子どもに関する物に関しては、
安かったり税がかからなかったりします。
また、教育費や医療費をどのようにまかなっているかも大きいでしょう。
 
税金をとるからには、何に使うかの説明がほしい。
更に、それを守っているという結果を明らかにしてほしい。
国会議員や官僚の無駄遣いを維持するために使ってほしくありません。
納得できる形で説明責任を果たし、有言実行する。これが基本です。
 
もちろんそういった議論を避けてきた私たちにも責任はあると思いますが、
もう、これまでみたいにはいかないということを示していかないと。
単なる反対論ではない、骨太な税論議をやるべきタイミングに来ています。
 
そのためには、まず基本となることを勉強していく必要があります。
そして、正しい知識をもった有権者が、政治家に直接に問いかけ、
いろいろな施策を粘り強く追求していけば、何かが変わるかもしれません。
消費税だって、16%まで行かなくても国家収支をバランスさせる良い方法が
いろいろと出てくるかもしれない、と思うのです。
 

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「空気」に流されるのか、それとも、自ら「風」を起こすのか [政治]

東京新聞 2011.12.11 朝刊28面
「戦略なき国家運営 今も 
『昭和16年夏の敗戦』著者 猪瀬直樹さんに聞く」


太平洋戦争の開戦から70年。
なぜ日本は無謀な戦争へと突入していったのでしょうか。

東京都副知事の猪瀬直樹さんは、
日本はどうあるべきかという国家戦略が欠けていた。
戦略なき国家運営の恐ろしさを歴史から学ばなければいけない

と語っています。

国家戦略は、国がどうあるべきかというビジョンや構想に基づいて作られます。

日露戦争までは、
「ロシアに勝たなければ日本の独立が危うい、この危機を乗り越えなければ」
という国家のビジョンがありました。
しかし、ロシアに勝ったあとは、国を統べるビジョンが失われ、
官僚制度の縦割りの組織がばらばらに動き出した、といいます。

国家のビジョンづくりは政治の基本です。
だからといって、ビジョンづくりを政治家や官僚に任せておけばいいと
いうものではありません。

国家のビジョンは、メディアも含め、有識者や企業経営者など、民間で
つくるもの

と猪瀬さんは主張しています。

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「空気」はこわい

この記事で特に注目したのが、
総力戦研究所の存在でした。
国家総力戦の研究と人材育成のために、1940年10月に
内閣直属機関として開設された研究所です。

対米戦を遂行すると、
「緒戦は優勢ながら次第に国力の差が表れ、やがてソ連が参戦し、
3、4年で日本は必ず敗れる」
との結論を内閣に報告していました。
その内容は、戦争の経過を正しく予測していたそうです。

それにもかかわらず、日本は、「敗戦必至」の戦争へと突入していきました。
なぜでしょうか。
それは、戦争回避を言い出せない「空気」が既に醸成されていたからです。

日本は、「空気」で物事が決まってしまう、という風土があります。
国はどうあるべきかというビジョン、構想を持ち、
正確な分析に基づいて国家戦略を構築すれば、
あいまいな「空気」に支配されない、しっかりとして国家運営ができるのでしょうか?

「国家のビジョンは、メディアも含め、有識者や企業経営者など、民間でつくるもの」
という猪瀬さんの言葉をどう実践していくか。

東日本大震災が起きた2011年の年の瀬に、私たちが果たすべき役割を考えています。

2012年をどう迎えるか

東日本大震災が起きた2011年と、太平洋戦争へと突入していった1941年。
2011年12月18日に放映されたNHKスペシャル
「シリーズ原発危機 メルトダウン ~福島第一原発 あのとき何が~」
を見ると、70年の時を超えて共通する要素が浮かび上がってきます。
NHKスペシャル|シリーズ原発危機 メルトダウン ~福島第一原発 あのとき何が~
 
ドラマ仕立ての構成で、震災当時の緊迫感が伝わってきました。
すべての電源を失い、真っ暗な中で、原子炉の状況すら監視できない状態での作業は、
さぞ怖かっただろうと思います。
 
これを見ていて、戦争映画を思い浮かべました。
第二次大戦中の日本を描いたものです。
大本営からの指令の下、無謀な戦争を続けていった前線の日本兵の絶望的な戦い。
 
たぶん、現場で働いていた人は、本当に最善を尽くしたのだと思います。
あのような死と隣り合わせの場所で作業された方々には頭が下がります。
 
ただ、残念ながら、結果は最善ではありませんでした。

メルトスルーをシミュレーションしたCGをみただけでも、原発事故の恐ろしさを思いしらされましたが、一方で、日本は非常用復水器(イソコン)を使う訓練も行っていませんでした。
それどころかその機能すら理解していませんでした。
もし、イソコンを、ちゃんと使っていたなら、メルトダウンを防げた可能性があったという。
 
今になって落ち着いた所で専門家たちはいろいろと解説していますが、
東京電力も原子力行政も、ずさんで、やるべきことをやっていなかった、ということは明らかです。
全電源喪失の可能性を知っていても、それに対する対策を立てていませんでした。
安全神話は本当に恐ろしい。
 
建屋の爆発。
死と隣り合わせの作業は想像を絶するものがあります。
現場の作業員は立派だったと思います。
前線で戦っていた日本兵のように。
 
しかし、今回も負けた。
個人としてのがんばりだけでは、どうにもならないことがあります。
あの太平洋戦争にむかっていった日本のように、
原発の安全神話自体に無理があったのだと思います。
 
それを誰も声をあげずに過ごしていたのが、日本の「空気」だったのではないでしょうか。
 
2012年を迎えました。
今年も「空気」に身を任せ流されていくのか。
それとも、自ら新しい「風」を起こすのか。


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団塊世代VS若い世代 投票率の差は何をもたらす? [政治]

毎日新聞 2011.12.14 朝刊 3面
「逃げ切らせない  潮田道夫 専門編集委員」

来年2012年から、団塊世代が65歳にさしかかり、
年金生活を始めます。

これが世代間の不公平の中心テーマのひとつになっています。
なぜかというと、高齢者(シルバー世代)への政策支出が、
子育て中の家族などに対してよりも相当に手厚いからです。

団塊世代といえば人数の多さがテーマですが、
実は政治に与える影響が、人口比以上に出ています。

というのは、
世代間の投票率に極端な差があるからです。

20代、30代の衆院選の投票率は40%程度であるのに対して、
60代以上は80%ぐらいになっています。

その結果、政治はシルバー世代の歓心を買うようになり、
日本は、「シルバーデモクラシー」の国になっています。

シルバー世代とは、引退していく世代であり、その関心は
「逃げ切り」にあります。

「生きている間は増税なしで現状の医療や年金を維持してもらいたい」
「若い世代は先々たいへんだろうが、まあ何とかやってくれ」
これが「逃げ切り世代」の本音。

この記事は、世代間のバランス是正をする必要を訴え、
「逃げ切り世代から夜具の一枚もはぎ取って、
赤ん坊にかぶせてやるべきなのである」
と結んでいます。
 
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この記事を読んで:


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